顧客インタビューで欲しい答えを引き出す、2つのテクニック

事例の書き方インタビュー, テクニック, 取材, 税理士

共感される事例をつくるには、「訊く」しかない

「イシオカさん、どうして、あの税理士さんが独立した理由が、『社長の本を読んだから』ってわかったんですか?」
「ウチの社長、それ聞いて、すんごい喜んでたんですよ」
「税理士先生に、なにを質問したんですか?」

電話の向こうで、クライアントが言う。

マーケティング担当者である彼からは、15本以上の取材を同行してもらっている。
今回は事情があって、ボクひとりで取材をしたことから、不思議に思ったらしい。

「当時、契約を担当していた私でさえ、税理士先生が社長の本を読んでたって聞いてなかったんですよ」

とうぜんのことですが、
事例制作を発注してくるクライアントは、
取材をするお客さまのことをよく知っています。
(自社の顧客ですからね)

 

とくに、営業担当は、顧客企業の内情を含め、事情をよくわかっているハズです。

それでも、知らないこともある。というか、聞いていないこともある。

 

今回のケースでいえば、「顧客(税理士)の独立のきっかけ」がそれ。
聞き出した情報は、「著書を読んだから」

 

社長はヨロコビますよね。
自著を読んで独立を決意した税理士がクライアントになってるんですから。

でも、それを訊き出せなければ、わかりません。
自分から積極的に言ってくれる人もいますが、
多くの人は、自分からそんな話しはしないもの。

 

ではなぜ、イシオカはこの税理士先生の
独立のキッカケが「社長の著書」だと、インタビューで引き出せたのでしょうか。

 

顧客インタビューで、引き出す2つのテクニック

これは、インタビューのテクニックです。
テクニックがあれば、インタビューイーは思わずしゃべってしまうことが増える。

ただし、このテクニックはひとつではありません。
いくつかのテクニックを重ねあわせて使っています。

その中から、ふたつのテクニックについてお話します。

インタビューテクニック その1
顧客事例インタビューであることを理解してもらうこと

大手企業の経営者であれば、
常日頃からインタビューされることがあると思いますが、
ほとんどの経営者は、公の場でインタビューされることは多くありません。

すると、自分の言いたいことを一方的に話す傾向があります。
創業社長であれば、なおさら。

そんなツワモノ経営者でも、
インタビュー冒頭に取材主旨を明示することで、ある程度コントロールすることができます。

  • 「今回は、◯◯社の事例取材でお時間をいただきました」
  • 「事例ですから、宣伝に使います」
  • 「購買を迷っている方に向けての内容を書く予定です」
  • 「社長が、買う決断をしたことを中心にお話を聞かせてください」

というようなことを伝えます。
(もちろん、相手の立場や状況によって、いろいろ使い分けます)

つまり、想定読者を共有しておくのです。
そうしておけば、インタビュー内容がズレることは予防できる。

今回のケースでいえば、税理士が独立したきっかけを深く聞くことで
「思わずしゃべっちゃう雰囲気」をつくりあげるのです。

 

■インタビューテクニック その2
ポイントを押さえ、会話をリードする質問をすること

いくら独立のきっかけを聞こうとしても、
ズレた質問をしてしまえば、話は流れていきます。

インタビューは、流れによって大きく変わります。
本題をハズした質問をしてしまうと、話が分断される。
すると、なかなか元に戻すのがたいへんです。
そこで、すこしクドいかな、という程度にちがう角度からの質問をするのです。

(例1)
い「独立のキッカケは?」
客「前の事務所に腹が立ってたんだよね」
い「なにか、イヤなことでも?」
客「方向性がね。所長ともソリが合わなかったし」
い「どなたか、目指す経営者や税理士像があったとか?」
客「実は、御社の社長の書いた本に触発されたんだよね」

このケースでは、会話をリードする感じの質問をしました。
「なにか、イヤなことでも?」
「どなたか、目指す経営者や税理士像があったとか?」
が、それにあたります。

これは、事例を書くということを意識していないと出てこない質問です。
おそらく、わたしもプライベートであれば、

(例2)
い「独立のキッカケは?」
客「前の事務所に腹が立ってたんだよね」
い「サラリーマンだと、ムカつくこともありますもんね」
客「そうなんだよ。給料安くて、コキ使われてねぇ」


となってしまい、事例にするのが難しい回答が返ってきてしまいます。
すると、事例本文を書くときに、どーでもいい内容(or 到底書けない内容)になってしまう。

一旦、あさっての方向に話が流れてしまうと、元に戻すのがむずかしくなるのはこんな場合です。

ですから、インタビューでは、
事例を書くための材料集めに徹してください。

楽しんでもらうインタビューにするもの大切ですが、
それだけでは、執筆時の自分の首を締めることになってしまいません。
(わたしも、経験が浅いときは、こんな失敗だらけでした)

 

あくまで、事例を書くことを前提としたインタビュー取材を意識することがたいせつです。


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